外部連携記事「株式会社DGビジネステクノロジー様 」

Collaboration

レコメンド×CMS連携でサイトの回遊性を高めるパーソナライズ戦略

担当者写真

Webサイトのレコメンドサービス「NaviPlusレコメンド」を提供する株式会社DGビジネステクノロジー (以下、DGビジネステクノロジー)とシフトは、松竹株式会社(以下、松竹)の映画作品検索サイトを制作する際に連携し、サイト訪問者一人ひとりの趣味嗜好に合ったコンテンツをおすすめできるWebサイトを実現しました。このアライアンスによって、回遊性の高いWebサイトが提供できたといいます。

両社が連携に至った理由や連携によって得られた成果、どのようなニーズに対して両社の連携が生きるのかといったことまで、詳しくお話を伺いました。

松竹様の映画作品検索サイトの制作の取り組みについてまとめた導入事例記事は下記よりご覧ください。

⇒「社内外から評判を集めた「100年分の映画作品が検索できるサイト」制作プロジェクトの裏側」

AIと行動データを掛け合わせた”高精度レコメンドエンジン”

―DGビジネステクノロジーの会社概要をご紹介ください。

六本木様:DGビジネステクノロジーは、ナビプラス株式会社、株式会社DGコマース、株式会社スクデットの3社が経営統合し、2025年4月に誕生しました。決済プラットフォームやマーケティング支援など多様な事業を展開するデジタルガレージグループ(略称:DG)の一員として、Eコマースやメディア、小売業界に向けて、戦略策定からシステム構築、マーケティング、AI、セキュリティまで、DX全般を支援し、CX領域のデジタルツールも提供しています。

六本木 様(株式会社DGビジネステクノロジー 営業本部 営業部 アカウントセールスグループ マネージャー)
六本木 様(株式会社DGビジネステクノロジー 営業本部 営業部 アカウントセールスグループ マネージャー)

―今回、シフトが提供するSITEMANAGEと連携を行った「NaviPlusレコメンド」は、どのようなサービスなのでしょうか。

六本木様:NaviPlusレコメンドは、独自のテキスト解析とユーザーの行動履歴を組み合わせて、一人ひとりのユーザーに合わせた商品やサイトコンテンツをおすすめするレコメンドエンジンです。松竹様の映画作品検索サイトでは、一人ひとりの好みに合った映画作品や特集コンテンツをそのレコメンドエンジンでおすすめしています。

テキスト解析とは、商品やコンテンツのテキスト情報を解析して、共通項や関連性を判断し、スコアリングしてレコメンドに生かす機能のこと。映画作品検索サイトであれば、作品名や作品の詳細、あらすじなどのテキストを解析しています。NaviPlusレコメンドのテキスト解析は、大規模言語モデル(LLM)をはじめとするAIの最新技術を反映していることが大きな特徴。他社のレコメンドベンダーも含めて、従来のレコメンドエンジンはテキストの中から完全一致のキーワードを拾うことで作品の類似性を測っていましたが、NaviPlusレコメンドは、AIが文章のニュアンスも含めて判断し、高精度なレコメンドを行っています。デジタルガレージ内のAI・データ解析領域の知見を取り入れ、実サービスに応用する形でレコメンド精度を高めています。

ユーザーの行動履歴については、サイトを訪問したユーザーがどのような商品をあわせ買いしているのか、どういったコンテンツを回遊しているのかを解析し、レコメンドに活かしています。

NaviPlusレコメンドは、そうした2つの要素をうまくブレンドして、この作品を見ているユーザーにはこの作品を紹介したら興味を持ってもらえるだろうといったことをレコメンドエンジンで判断し、提供しています。

NaviPlusレコメンドの仕組み
NaviPlusレコメンドの仕組み

また、A/BテストをAIで自動的に行ってレコメンドを最適化していく仕組みや、10種類以上というレコメンドロジックの豊富さ、レコメンドをメルマガや紙媒体などにも反映できる柔軟性なども評価されています。

さらに、当社はテクニカルサポートやカスタマーサクセスの体制も充実しており、導入後もレコメンドを目的に応じて戦略的にチューニングしたり、なかなか成果が出ないというときにアドバイスしたりといったサポートをしっかりと行っていることも大きな特徴です。

―NaviPlusレコメンドは、どのようなケースで導入されることが多いのでしょうか。

六本木様:導入実績は累計500サイト以上で、最も多いのはアパレル系サイトへの導入ですが、ECサイトにとどまらず、松竹様のようなコンテンツサイトにも導入いただいています。加えて、APIを提供することで、従業員向けサイトの満足度向上やQ&Aページでの類似する質問の提示にご活用いただいたり、サイト内検索サービスの「NaviPlusサーチ」と組み合わせて検索精度の向上にお役立ていただいたりと、幅広く応用されています。

特にお選びいただくことが多いのは、ECサイトであればあわせ買いを促進して顧客単価を上げたいといったケース。それ以外のメディアやポータルサイトの場合は、回遊率や滞在率、読了率を上げたいといったニーズがあるケースですね。

連携方式として、APIだけでなくJavaScript方式も用意があり、CMSとの連携が容易なので、松竹様のように簡易的にCMSに組み込みたいというケースでもご利用いただいています。NaviPlusレコメンドには管理画面があるのですが、そこでコンテンツの表示枠のロジックとデザインを設定し、表示用のJavaScriptタグを取得して対象のページに設置するだけで、実際にサイトに描画できるようになっています。CMSを利用されている方は簡易にサイトをつくりたいというニーズをお持ちである場合が多いので、JavaScript方式はそうしたニーズに非常にマッチすると考えています。

連携の仕組み
連携の仕組み

クライアントのニーズに応える、豊富なロジック

―シフトとDGビジネステクノロジーが連携に至った経緯を教えてください。

重森:まず、2022年に松竹様から、自社の映画作品を統括したサイトを新しく構築したいということで、コンペにお声がけいただきました。その要件にレコメンドやキュレーションがあり、松竹様の作品を魅力的に伝えることができて、かつ使いやすいサービスを提供してほしいというご要望がありました。

重森(シフト 営業)
重森(シフト 営業)

当社としても、より良い提案にしたいという思いから、連携先としてDGビジネステクノロジー(旧:ナビプラス)さんも含めていろいろなサービスの話を聞き、比較しました。その中でDGビジネステクノロジーさんは、以前別のサイト構築の際にも当社とアライアンスを組んだ経験があり、連携のしやすさを知っていましたし、実績も豊富。また、松竹様としてもいろいろな切り口から作品をレコメンドしたいというニーズがありましたので、NaviPlusレコメンドが合っているのではないかと思い、お声がけしました。

―松竹様には、どのような点を評価いただいて導入に至ったのでしょうか。

六本木様:機能や価格がご要望に合っていたという点に加えて、ロジックの数が豊富であることも評価していただきました。ロジックの数が多ければ、思ったより効果が出ていないなという場合でも、二度、三度とロジックを変更してレコメンドを行うことができるので、安心感があると思っていただけたようです。また、先ほどお話しした導入後のサポートの手厚さという点も評価いただきました。

重森:松竹様へのご提案においては、どうすればより良い形で松竹様のご要望が実現できるのかを六本木さんに相談させていただいたり、NaviPlusレコメンドと他社サービスの違いなどについてフォローしていただいたりと、とても丁寧にご対応いただけて助かりました。

レコメンド精度の上昇とともに、回遊性も向上

―実際に、Webサイトではどのようにレコメンドを表示していますか。

重森:トップページに「あなたにおすすめ」という作品のレコメンドや、作品詳細ページの末端に「あなたにおすすめの特集」、Blu-ray/DVD・配信情報ページに「あなたにおすすめの作品」、特集一覧ページには別の特集のレコメンドなどを表示しています。

導入当初はランキングを表示するのもいいのではないかという案がありましたが、ランキングの順位にあまり変動が見られないかもしれないという懸念もあり、当社のクリエイティブディレクターとDGビジネステクノロジーさん、松竹様でお話しして、最終的に現在の形に落ち着きました。

レコメンドを表示している松竹様のサイトは下記からご覧ください。
⇒「松竹シネマプラス」を見る

―松竹様の映画作品検索サイトを2023年6月にリリース後、レコメンドによってどのような成果が得られていますか。

六本木様:徐々にユーザーの行動履歴を蓄積し、レコメンド精度を高めていったことで、リリース直後と現時点(2025年8月時点)で作品詳細のレコメンド枠のクリック率を比較すると、”7.6倍”にまで向上しています。また、特集から作品詳細へ、作品詳細から別特集へと横断的な回遊が強化され、作品詳細ページのPVも順調に増加しています。

―松竹様への導入後からこれまでに、どのようなサポートをされましたか。

六本木様:松竹様からいくつかご要望をいただいて、それに対してお応えしました。たとえば、初回訪問ユーザーに古い作品がおすすめ表示されているのをどうにかしたいというご要望に対して、新着順で作品を表示させるロジックの設定ができることをご案内したり、KPIとしているPV数をうかがい、それに沿ってPDCAの回し方やAIを使ったA/Bテストの機能をご紹介したりしました。また、機能面だけでなく、レコメンド表示枠に付けたテキストに違和感がないかといったデザイン面でのご相談にも乗り、アドバイスさせていただいたこともあります。

専門サービスとの連携で、より高い成果を

―SITEMANAGEとNaviPlusレコメンドの相性について、どのように感じていますか。

六本木様:JavaScriptタグの設置やマスタの連携が非常に柔軟にできるので、相性は非常に良いと感じています。

飯塚(シフト Webディレクター)
飯塚(シフト Webディレクター)

飯塚:そうですね。SITEMANAGE単体では柔軟なレコメンドが実現できないので、NaviPlusレコメンドのような高性能なレコメンドサービスと簡単に連携できるのはすばらしいなと思います。

六本木様:CMSによっては、特定のページでレコメンドが表示できないといった場合もあるのですが、SITEMANAGEはどのようなページにも表示できるという柔軟性があります。導入先のクライアント様にとっても、それは非常にメリットのあることだと思います。

―今後、どのような場合にSITEMANAGEとNaviPlusレコメンドを連携したいと考えていますか。

飯塚:SITEMANAGEで制作したWebサイトにレコメンド機能を持たせたいと考えるのであれば、ぜひ検討してみてほしいと思います。SITEMANAGE単体でも、ごく単純なルールに沿って商品やコンテンツをユーザーに表示するというプログラムは組めるのですが、NaviPlusレコメンドと連携すれば、ユーザー一人ひとりに対して柔軟で精度の高い提案ができるようになります。また、当社でそうしたプログラムを組もうとすると、どうしても開発コストが上がってしまうか、そもそも実現が不可能ということもあるため、それであれば専門のサービスを利用した方が得られるメリットは大きいと考えています。

重森:レコメンド機能を導入したいというニーズが顕在化していないお客様であっても、特に商品やコンテンツの数が多いWebサイトを運営されているお客様にはNaviPlusレコメンドとの連携をこちらからご提案して、回遊率や滞在率を高めるお手伝いができればと思います。また、回遊率や滞在率を高めたいと思っていても、それがレコメンドの導入と結びついていない場合も多いと思うので、当社がその架け橋になる形でご提案できればとも思いますね。

―最後に、レコメンド機能の導入を検討されている方にメッセージをいただけますか。

六本木様:レコメンドは、コンバージョンだけでなく「ユーザーがサイト内を楽しみながら回遊する」体験づくりにも効果的です。回遊や滞在、読了を成果指標とされていて、かつコンテンツ数が多くて見きれない、コンテンツの分類や紐づけが複雑になっているといったWebサイトであれば、当社のレコメンドエンジンが非常に役立ちます。また、行動履歴のない初回訪問ユーザーに対しても、あらゆるロジックでレコメンドを表示することができますので、離脱率の低減が実現可能です。そうしたところに課題やニーズをお持ちの場合には、ぜひご検討いただければと思います。