CMS構築ってそうだったのか!制作のプロがわかりやすく解説

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CMS構築ってそうだったのか!制作のプロがわかりやすく解説

はじめに

「Webサイトを作りたい」「Webサイトをリニューアルしたい」など検討していると、必ず耳にするのがこの「CMS」だと思います。CMSの概要は知っていても、構築にあたって必要な準備や進め方、注意点は意外と理解しづらいものです。

本記事では、CMS構築の現場で弊社が実際に行っている進め方、確認すべきポイント、失敗しやすい落とし穴をわかりやすく解説します。

また、CMSは種類が多く、違いがわかりづらいのが実情です。どれを選ぶべきか迷ったら、要点を整理した「CMSの選び方資料」をぜひご活用ください。⇒CMSの選び方資料をダウンロードする

そもそもCMSを構築するとはどういうことか?

そもそもCMSを構築するとはどういうことか?

CMSとは「コンテンツ・マネジメント・システム(Content Management System)」の略称で、日本語では「コンテンツ管理システム」と呼ばれます。HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、Webサイトのページ作成や更新を容易に行える仕組みを指します。

Webサイトを継続的に運用していく中で、頻繁な更新が必要な場合には、ほとんどのケースでCMSの導入が検討されます。つまりCMSを構築するというのは、「Webサイト運用を効率化し、誰でも簡単に管理できる環境を整えること」といえます。

CMSの基本的な仕組みや導入のメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:CMSとは?種類などの基礎知識から導入のメリット・選び方を解説

CMS構築のメリット

CMS構築のメリット

専門知識がなくても簡単に運用できる

専門知識や技術がなくてもWebサイトを更新できるため、制作会社に依頼せずとも社内の担当者で情報発信が可能になります。

特にニュースリリースやブログなど、スピードが求められる情報発信では大きなメリットです。

運用コストを減らせる

Webサイトの更新を制作会社に依頼する必要がなくなるため、外注コストの削減につながります。

また、社内でページの新規追加・更新を完結できるので、修正依頼から公開までの時間も短縮できます。

リアルタイムに情報発信が行える

CMSなら、思い立った時にすぐ更新できるため、ユーザーのニーズに即した情報を提供できます。

タイムリーな情報提供は、ユーザーの再訪率や信頼感の向上にもつながります。

SEO対策しやすい

更新頻度が上がることで検索エンジンの評価を受けやすくなります。

さらに、CMSには「titleタグ」「metaタグ」「hタグ」などを簡単に設定できる仕組みがあり、検索エンジンに内容を正確に伝えることが可能です。

これらを適切に設定することで、検索順位の向上やクリック率の改善も期待できます。

CMS構築のデメリット

CMS構築のデメリット

CMSの操作感を覚える必要がある

CMSは便利なシステムですが、操作方法を学ぶ時間は必要です。最近は直感的に使える製品も多く、WordやExcelに慣れている方なら比較的スムーズに習得できます。

ただし管理者は更新だけでなく、ユーザー権限やサイト全体の設定といった機能も理解しておく必要があります。

デザインの自由度が制限される

多くのCMSはデザインテンプレートをベースにページを作成します。そのため、テンプレートと大きく異なるデザインを実装する場合は制約があり、場合によっては専門知識や制作会社への依頼が必要になります。

データ移行が大変なことも…

既存サイトから新しいCMSへ移行する際は、多くの作業が発生します。

Webサイトのほとんどは、大きく分けて2つパターンで運用されていることが多いです。それぞれの場合でのデータ移行について解説していきます。

1.   現在のWebサイトがCMSを利用して運用されている場合
2.   静的ページとして作られている場合 

1.現在のWebサイトがCMSを利用して運用されている場合

既存のCMSを利用している場合は、データベースから情報を抽出するか、公開サイトをクローリングして取得します。

その後、新しいCMSの構造に合わせて変換用スクリプトを作成しますが、案件によっては大規模な作業となることもあります。

さらに、変換後にはリンクチェックやCSSの調整といった追加作業が必要になる場合もあります。

2.静的ページとして作られている場合

静的ページとは、HTMLファイルを1ページずつ作成して公開する仕組みのことです。

この場合、データ移行は手作業でCMSに投入するか、クローリングで取得して移行します。移行量によって方法は異なり、一般的に「計画 → 設計 → スクリプト作成 → 実施 → 検証」という流れで進めます。

特に大規模サイトでは、計画をしっかり立てないとリリースに間に合わない…なんてことも考えられます。

CMSへのデータ移行は、既存CMSからでも静的ページからでも工数がかかりやすく、特に大規模サイトでは綿密な計画が欠かせません。データ移行の具体的な手順や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:成功するCMS移行の法則!新規導入や乗り換え時の注意点とデータ移行のポイント

CMS構築前に確認しておきたい5つのこと

CMS構築前に確認しておきたい5つのこと

① CMS構築の目的を明確にする

まずは「何のためにWebサイトを作るのか」を最初に明確にしましょう。目的が曖昧なままでは、せっかく構築しても『ただあるだけのサイト』になりかねません。

例えば「問い合わせを増やしたい」「採用活動を強化したい」「既存顧客との接点を増やしたい」「商品情報を整理して探しやすくしたい」「ブランドの信頼性を高めたい」といった具体的な目的を考えます。こうした目的を明確にすることで、必要な機能やコンテンツ、運用体制も定めやすくなり、成果につながるサイト構築が可能になります。

② どんなWebサイトにしたいかを考える

明確にした目的を実現するためには、完成後のサイト像をイメージしておくことが欠かせません。ゴールだけを決めても「どのようなサイトで達成するのか」が描けていなければ、制作の方向性がぶれてしまいます。

例えば「情報を整理してユーザーが探しやすいサイト」「製品の魅力を伝えるビジュアル重視のサイト」「顧客サポートを強化するFAQや会員機能を備えたサイト」など、目的に応じた具体的な姿を思い描いてみましょう。そのイメージを共有することで、制作会社との認識も一致しやすくなります。。

③ KPIを設定する

目的とサイト像を定めたら、それを達成できているかを測るための指標=KPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。KPIがなければ、Webサイトの効果を正しく判断できず、改善も進みません。

例えば「問い合わせ数を月10件に増やす」という目的なら、KPIとして「セッション数を〇%増加させる」「資料ダウンロード数を〇件にする」といった数値目標を設定します。採用強化が目的なら「エントリー数」「採用ページの閲覧数」がKPIになります。

このように目的に直結する数値をKPIとして定めておくことで、サイト公開後の運用や改善もスムーズに進められます。

④ コンテンツの設計する

Webサイト公開後はすぐに情報発信を始められるよう、事前にコンテンツの準備をしておくことが重要です。「公開してから考える」では、更新が滞り、立ち上げの効果を最大化できません。

特に「ユーザーにとって有益なコンテンツとは何か」を明確にすることが大切です。そのためには、ターゲット像を具体化したペルソナを設定し、ニーズに合った記事や資料を設計しておくと効果的です。例えば、課題解決のためのFAQ記事、サービス導入事例、業界の最新情報など、ユーザーが知りたい内容を先回りして用意すると、公開直後からサイトを活用できます。

コンテンツ設計は単なる原稿作成ではなく、ビジネスモデルやマーケティング戦略と整合性を持たせることが成功のポイントです。

⑤ CMS構築・運用にかける費用を明確にする

CMSでWebサイトを構築する際には、初期費用と運用費用の両方が発生します。これを事前に整理しておかないと、予算超過や運用負担につながるため注意が必要です。

<初期費用>
 ・要件定義/打ち合わせ
 ・基本設計、情報設計、詳細設計、外部設計
 ・データ移行計画、移行設計(必要に応じて)
 ・CMSライセンス費用
 ・デザイン制作、HTML作成費用
 ・カスタマイズ開発費用
 ・単体テスト、結合テスト、外部結合テスト
 ・マニュアル作成
 ・リリース計画、リリース作業

<運用費用>
 ・アプリケーション保守 
 ・サーバ費用、SSL、ドメイン、サーバ保守
 ・マーケティング支援(アクセス解析、SEOSEMなど)

制作会社ごとに費用の内訳や範囲は異なるため、見積もり段階で「どこまでが初期費用で、どこからが運用費用なのか」を明確にしておくことが大切です。

CMSの構築・運用費用は、サイトの規模や要件によって大きく変わります。そのため、見積もりの比較や内訳の確認は欠かせません。

株式会社シフトでもご要望をお伺いしてCMS構築に関する費用感をお伝えすることも可能ですので、「自社の場合はいくらくらいかかるのか」を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。⇒CMSの構築費用について相談する

CMS構築後の運用で確認しておきたいこと

CMS構築後の運用で確認しておきたいこと

コンテンツ運用体制を構築する

CMSを導入しても、適切な運用体制がなければ成果は出ません。担当者に負担が集中したり、更新が滞ったりすると、せっかくのCMSのメリットを活かせず、SEOを重視しているサイトであれば、結果的にGoogleからの評価が下がるリスクもあります。そこで「体制」「チーム」「施策」の3つを意識して準備しましょう。

役割分担とガイドライン整備

まずは各担当者の役割を明確にし、ガイドラインに沿ってコンテンツを作成できる仕組みを整えることが大切です。更新ルールを統一することで、属人化を防ぎ、継続的に質の高い発信が可能になります。

プロジェクトチームを構築する

CMS構築を成功させるには、プロジェクトチームの存在が欠かせません。プロジェクトマネージャーを中心に、デザイナー、開発者、マーケターなど必要な役割を揃え、責任範囲を明確にしましょう。

定例ミーティングや管理ツールを活用し、チーム全員が共通の目標を持つことで、プロジェクトをスムーズに進められます。

Webマーケティングを組み合わせる

CMS構築後は、アクセス解析ツールの活用やSEO対策、リスティング広告、MA(マーケティングオートメーション)導入などを実施し、サイトを有効に活用しましょう。高い費用をかけて構築したWebサイトも、マーケティング施策と組み合わせなければ成果につながりません。

ただし、社内だけでマーケティング運用を続けるのは簡単ではありません。専門知識や継続的な改善が必要なため、外部サービスを活用するのも一つの手です。シフトでは確かな知識を持つWebマーケターがデータ分析に基づき運用をサポートしています。構築後の運用に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。⇒Webマーケティングについて相談する

CMS構築の進め方 ~シフトの場合~

CMS構築の進め方 ~シフトの場合~

ここでは、シフトでCMSを構築する際の進め方をご紹介します。

「CMS構築がどんな流れで進むのかイメージしづらい…」という方は、ぜひ参考にしてください。

1. 要件定義

ヒアリングを通じて現状の課題や目的を整理し、要件定義書を作成します。その上で見積り・契約を行い、必要な機能の洗い出し(Fit & Gap)やサーバー選定を進めます。

2. 設計

サイトの構成や画面設計(公開側・管理側)、UI/UX設計を行います。あわせてデータ移行計画もこの段階で立てます。

3. デザイン

ユーザーにとって使いやすく、ブランドイメージに合った画面デザインを制作し、スマートフォン対応を含めたHTMLを作成します。

4. 開発(CMS組込)

設計やデザインをもとに、管理画面や公開側の機能をCMSに組み込み、プログラミングを行います。

5. テスト

公開前には、作成した機能が正しく動くかを段階的に確認します。

まずは「単体テスト」でお問い合わせフォームやログイン機能などを部品ごとにチェックし、その後「結合テスト」で複数の機能を組み合わせて動作を確認します。さらに、他システムとの連携を確認する「外部結合テスト」を行います。

最終段階では、お客様へのCMS引き渡しと使い方の説明を行ったうえで、実際の利用を想定して全体の動きを確かめる「受け入れテスト」を実施します。

6. 公開

テストを終えたら、いよいよサイトを公開します。公開前には「リリース計画」を立て、スケジュールや作業手順を明確にしておくことが重要です。計画に沿ってリリース作業を行い、Webサイトを本番環境で公開します。

公開後も、動作確認や軽微な修正対応を行いながら安定稼働をチェックします。シフトでは公開後の運用サポート体制も整えているため、安心してサイトを運用していただけます。

CMS構築する際に気をつけておきたい事

CMS構築する際に気をつけておきたい事

CMSは公開して終わりではなく、運用を続ける中でサーバーの安定性、機能の拡張性、運用体制の有無が成果を左右します。ここでは特に注意したい3つのポイントをご紹介します。

適切なサーバーを選ぶ

サーバーの選択を誤ると、CMSが正常に動作しなかったり、アップデートに対応できなかったり、セキュリティリスクを抱える可能性があります。レンタルサーバ・VPS・クラウドなど種類を理解し、自社に合った環境を選びましょう。

詳しい内容をまとめた記事がありますので、そちらをご覧ください。

関連記事:CMSにおけるサーバーの役割や種類とは?最近人気のAWSについても解説

機能を追加できるか

CMSを構築する際によくあるのが「あとから必要な機能が出てきた」というケースです。新しく作り直すのはコストも時間もかかるため、構築時には将来的に機能追加や拡張が可能かどうかを確認しておくことが大切です。

シフトのパッケージCMS「サイトマネージ」は、100以上のプラグインから必要に応じて機能を追加できる仕組みを備えており、コストを抑えて柔軟に拡張できます。また、複数サイトを一元管理できる「マルチサイトライセンス」も提供しているため、追加で新規サイトを構築する場合にも対応可能です。⇒サイトマネージについて詳しく見る

運用体制

更新や改善を継続しなければ、Webサイトは成果につながらず、せっかく構築したCMSも十分に活用できません。社内にマーケティング担当を配置して計画的に運用できる体制を整えることが理想ですが、実際には日々の業務に追われてリソースが不足するケースも少なくありません。

そのような場合は、外部の専門家やサービスを組み合わせて、継続的に改善を行う仕組みを作ることが大切です。シフトではCMS構築後のマーケティング支援も行っており、アクセス解析やSEO施策などデータに基づいた改善をサポートしています。構築後の運用に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。⇒Webマーケティングについて相談する

独自要件やセキュリティに強いCMSなら

Webサイトは作って終わりではなく、長期に育てる“資産”です。だからこそ、独自の業務フローや既存システムに柔軟に対応でき、顧客情報を守る強固なセキュリティを備え、将来の機能追加にも無理なく拡張できるCMSを選ぶことが重要です。

これらの課題を解決するためにシフトが独自開発したCMSが「SITEMANAGE(サイトマネージ)」です。サイトマネージは、自社開発だからこそ細かな仕様変更や既存システムとの連携に強く、企業ごとの独自要件に合わせたカスタマイズを実現します。

さらに、外部からの攻撃だけでなく内部の人的ミスにも備えた多層的なセキュリティ対策を標準搭載しており、安心して長期利用いただけます。加えて、100種類以上のプラグインによる機能追加やマルチサイト運用にも対応しているため、企業の成長に合わせて柔軟に拡張できる点も大きな特徴です。

費用感や機能がひと目でわかる資料をご用意しています。自社に合ったCMSかどうかを検討する際にお役立てください。⇒サイトマネージ紹介資料をダウンロードする

まとめ

CMS構築は、サイトを「作る」だけでなく、その後の運用や拡張、セキュリティ対策までを見据えて取り組むことが重要です。本記事では、CMSのメリット・デメリットや構築の流れ、注意すべきポイントをご紹介しました。

ポイントは、目的を明確にしたうえで適切なCMSを選び、長期的に安心して運用できる仕組みを整えることです。独自要件への対応やセキュリティ、将来的な機能拡張を考慮しないと、後々大きな手戻りやコスト増につながる可能性があります。

シフトの独自開発CMS「サイトマネージ」は、これらの課題を解決する柔軟性と拡張性を兼ね備えており、安心して長期利用いただけるCMSです。まずは費用感や機能がわかる資料をご覧いただき、自社に最適なCMS構築を検討してみてください。

ご相談をお待ちしております。お気軽にご相談ください。

お電話でのご相談窓口

03-5847-1281

(受付時間:平日 9:30-18:00)

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