社内ポータルが使われない原因はデザイン?事例で学ぶ構築のポイント

社内ポータルが使われない原因はデザイン?事例で学ぶ構築のポイント

「社内ポータルを導入したのに、従業員に使われない」「情報が埋もれていて目的のページにたどり着けない」などの課題を抱える企業も少なくありません。

その背景には、見た目の美しさだけでなく情報の構成や導線設計が十分に検討されていないケースや、 ツールの仕様で自由なデザインが難しく、使いやすさに配慮しきれないケースもあります。

本記事では、社内ポータルの活用を促すためのデザイン・構築のポイントを、実際の事例を交えてわかりやすくご紹介します。

シフトでは、「情報が見つからない」「従業員に使われない」といった課題を抱える企業さまに、使いやすさを重視した社内ポータルの構築を支援しています。閲覧率80%を達成したセガサミーホールディングス様の事例資料を、ぜひご覧ください。

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社内ポータルが活用されるかはデザイン次第?

社内ポータルが活用されるかはデザイン次第?

社内ポータルサイトのデザインでは、見た目の美しさだけでなく、直感的な操作性や情報へのアクセスのしやすさが重要です。使いやすい設計により、従業員はストレスなく必要な情報にたどり着け、業務の効率化にもつながります。

たとえば、よく使うマニュアルを目立つ場所に配置したり、周知したいニュースをポップアップで表示したりすれば、情報共有をスムーズに行えます。

ただし、情報を詰め込みすぎると、ナビゲーションが複雑になったり、レイアウトが分かりにくくなったりして、かえって混乱を招く恐れがあります。情報の整理や階層設計には十分な配慮が必要です。

さらに、PCだけでなくスマートフォンからも快適に閲覧できる、モバイルフレンドリーな設計も欠かせません。場所を問わず、社内外や移動中でも利用しやすくなります。

優れたデザインの社内ポータルは、単なる業務ツールにとどまらず、従業員のエンゲージメント向上や企業文化の浸透を支える重要な基盤にもなります。

社内ポータルサイトについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてご覧ください。
社員が使いたい社内ポータルサイトとは?事例で学ぶ成功の秘訣

社内ポータルサイトのデザインを考える4つのポイント

社内ポータルサイトのデザインを考える4つのポイント

社内SNSや社内ニュースの周知など、企業によって社内ポータルサイトに求める目的はさまざまです。その目的に応じたデザインが採用されていない場合、従業員にとって使いにくく感じられ、活用が進まない原因になることがあります。

しかし、デザイン以外にも情報の更新頻度や運用体制など、社内ポータルが十分に活用されない理由は多岐にわたります。そのため、これらの要素も含めて総合的に改善を検討することが重要です。

ここでは、社内ポータルサイトを構築する際の「デザインのポイント」を4つの観点から解説します。

企業ごとに社内ポータルサイトに求める役割や目的は異なりますが、適切なデザインは共通して活用度を高める重要な要素です。自社の状況に当てはめながら、最適なデザインを実現するためのポイントを考えてみてください。

1. 目的に基づくユーザー中心設計

社内ポータルサイトの設計では、ユーザー中心設計は非常に重要です。ユーザー中心設計とは、単に機能を詰め込むのではなく、従業員のニーズと企業の目的を元に設計する方法です。

まずは、社内ポータルサイト構築の目的を次のように明確化することで、必要な機能が具体的に見えてきます。

目的 対応する設計方法
情報の一元管理 各部署で分散して使用しているポータルサイトを統一
企業ビジョンの浸透 社内掲示板をトップページに配置
社内コミュニケーションの促進 SNS機能の実装
問い合わせの削減と業務効率化 チャットボットの導入

機能や情報を詰め込むのではなく、企業の社風や実情に合わせて優先順位をつけるのが大切です。解決すべき課題に焦点を当て、適切な機能を導入できれば、使用する方にとって使いやすく価値ある社内ポータルサイトとなります。

2. シンプルで直感的なナビゲーション

従業員が毎日アクセスする身近な社内ポータルサイトにするためには、シンプルで直感的なナビゲーションが欠かせません。必要な情報や機能にストレスなくアクセスできる仕組みを整えることで、業務効率が向上します。

使い慣れたサイトの構造やデザインを採用することも、従業員の利用頻度を高める鍵です。たとえば、GoogleやYahoo!の検索サイトでは次のように要素が配置されています。

  • 検索窓を中心など見やすい位置に配置
  • 検索窓の直下に、よく使う機能をアイコンで表示
  • ニュースを画面の下方に配置

このように、ユーザーの学習コストを最小限に抑えるデザインは、従業員にとってストレスフリーな体験を提供します。

また、各機能へのアクセスを示すアイコンは、直感的に理解できるデザインを選びましょう。

例)
申請書類:ドキュメントアイコン
経理関連:硬貨や紙幣のマーク

これらの工夫により、一目で内容を把握でき、さらに直感的な操作性が実現します。

3. モバイルフレンドリーなレスポンシブデザイン

現代の働き方において、社内ポータルはPCだけでなくスマートフォンやタブレットからもアクセスされることが増えています。  

外出先や移動中など、いつでもどこでも必要な情報にアクセスできる環境は、業務効率を高めるうえで欠かせません。

そのため、画面サイズや向きに応じて最適な表示に切り替わる「モバイルフレンドリーなレスポンシブデザイン」の採用が重要です。  

どのデバイスからでも見やすく、ストレスなく操作できる設計にすることで、ポータルサイトの利用頻度も高まり、従業員の情報活用を自然に促進できます。

4. 情報発信が円滑に行える管理画面のデザイン

社内ポータルサイトを活用してもらうには、情報を登録・更新する側の使いやすさも欠かせません。  部署や職種を問わず、誰でも気軽に情報を発信できる仕組みが整っていないと、せっかくのサイトが活用されにくくなってしまいます。

たとえば、更新作業が複雑だったり、操作に迷うような画面だと、利用する人の負担になり、場合によっては「詳しい人に頼まないと投稿できない」という状況が続き、情報の共有が滞ることもあります。

そのため、管理画面では以下のようなポイントを意識すると良いでしょう。

  • 誰でも直感的に操作できること:マニュアルを見なくても情報の登録・編集ができる  
  • 操作対象がわかりやすいこと:どこを触れば何が変わるかが一目でわかる  
  • 発信結果が見えること:どれだけ閲覧されたかが簡単に確認できる

こうした工夫によって、運用担当者の負担が軽くなり、情報発信のモチベーションも高まりやすくなります。特定の人に業務が集中するのを防ぎ、組織全体で情報を共有・活用しやすい環境づくりにつながるでしょう。

社内ポータルサイトのデザイン事例

 

デザインの全体を見る

株式会社シフトで社内ポータルサイトのリニューアルを支援させていただいた、セガサミーホールディングス株式会社様の事例をご紹介します。

これまでもグループ各社でそれぞれの社内ポータルサイトを独自で運営していましたが、各社で掲載場所や掲載方法が異なり、グループ内各社間の情報共有は困難でした。また、グループ共通の情報を掲載する際も、各社のサイトへそれぞれ掲載する必要があり、手間がかかっていました。

これらの課題を解決するため、社内ポータルサイトを一つに統合しました。各社の情報と共通の情報を分けて見やすくするなどの工夫を採り入れ、社内ポータル閲覧率80%を実現したのです。

より詳細な内容については、以下の資料で詳しく解説しています。

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デザインのポイント

社内ポータルサイトのリニューアルにあたっては、各部署・グループが日常的に使いやすく、情報を迷わず探せる構成を意識してデザインを設計しました。

背景画像やキャラクターなど、グループごとの特徴を視覚的に反映させることで、親しみやすさと視認性を両立し、情報共有の活性化につなげています。

ディレクターコメント

 各部署やグループごとにトップページの背景画像を変更できるようにすることで、視覚的にどのグループの情報を見ているかを明確にしました。これにより、従業員が必要な情報に迷わずアクセスでき、情報共有の効率が向上します。また、グループごとのビジュアルを採り入れることで、従業員にとって親しみやすく感じられるように工夫しています。

デザイナーコメント

キャラクターを用いることで、従業員の方々に親しみを持ってもらえるデザインを目指しました。各キャラクターにはグループや部署ごとのテーマを持たせ、各組織の特徴を反映させています。

これにより、従業員の方々がサイトを使う際に楽しさを感じられるようにし、親しみやすさを向上させました。また、キャラクターを使ったビジュアルは、情報の識別やナビゲーションの手助けとしても機能するよう工夫しています。

デザインのこだわり

情報の優先度に応じた画面構成と、視認性に配慮した設計を行いました。親しみやすさと使いやすさの両立を目指し、ビジュアル面でも細やかな工夫を凝らしています。

ディレクターコメント

 コンテンツの重要度に合わせてUI設計を行いました。画面左にはグループごとの機能やページへの導線、中央には日々更新される最新情報、右側には企業全体の重要なリンク集を配置し、視覚的に分かりやすく整理しています。

デザイナーコメント

さまざまなコンテンツが配置されるなかで、各コンテンツが埋もれず、ユーザーにとって必要な情報が直感的に見つけられるように工夫しました。視覚的な優先順位を意識し、重要な情報は目立つ位置に配置しました。また、アクセントカラーや適切な余白を活用し、全体のデザインに統一感を持たせつつ、使いやすさを追求しています。

デザイン決定までのプロセス

社内ポータルサイトのデザインを決定するにあたり、関係者の意見を取り入れながら複数のデザイン案を作成し、最適な選択を進めていきました。その過程を振り返ります。

ディレクターコメント

シフトの3名のデザイナーが協力し、雰囲気やレイアウトが異なる3つのデザインパターンを作成しました。それぞれのパターンには異なるユーザー体験を想定し、企業様のニーズに最も適した案を見つけるため、関係者と打合せを重ねました。

最終的に、利便性と使いやすさをより重視した案を採用し、従業員の方々が日常的に利用しやすいデザインを提供することを目指しました。

デザイナーコメント

エンタテインメント企業としてデザインに対する強いこだわりがあり、私たちもその期待に応えるべく何度も案を練り直しました。特に、ユーザーが楽しさを感じられるデザインを追求し、色使いやキャラクターの配置、インタラクションなど細部に至るまで徹底的にこだわりました。

どうしても方向性を明確にできなかった部分は、お客様に具体的な参考案を作成いただき、それを基に調整を重ねて最終的なデザインを完成させました。結果として、従業員の方々に愛着を持ってもらえるサイトを実現できたと考えています。

社内ポータルサイト構築をスムーズに進めるための事前準備

社内ポータルサイトを効果的に構築するには、企業の課題と従業員のニーズを的確に把握することが重要です。ポータルサイトの目的を明確にし、利用シーンを具体的に想定することで、実際に活用されるシステムを作り上げることができます。

目的と目標の明確化

まず、目的と目標を明確にしましょう。企業が抱える課題を洗い出し、それを解決するシンプルな構造からスタートするのが効果的です。たとえば、部署間のコミュニケーションを円滑にするための社内SNSや、グループ全体の情報を一元管理できる機能を初期段階で設計することが挙げられます。

従業員の声を反映し、必要に応じて機能を追加する柔軟な設計が、社内ポータルサイトの成功に欠かせません。

従業員のニーズ確認

社内ポータルサイトの導入では、従業員のニーズを把握することで、実際に活用されるポータルサイトを構築できます。従業員のニーズは企業ごとに異なり、以下のような要望があります。

  • グループ内の他社や他部署とのコミュニケーションを取りたい
  • 総務関連の手続きサポートが欲しい
  • 必要な情報を迅速に探せるようにしたい

管理者が想定する用途と、実際の従業員の要望が異なることも多いため、アンケートやインタビューを通じて具体的な課題を洗い出すことが求められます。

社内資料の共有方法や会議スケジュールの一元管理、各種申請フローの簡素化など、現場からの要望を反映させることで、従業員にとって使いやすいポータルサイトを作成できます。

既存システムとの互換性確認

社内ポータルサイトのリニューアルをする際は、あらかじめ既存システムとの互換性を確認しておきましょう。新しいサイトが既存のシステムやデータと正しく連携しない場合、機能の不整合やデータの不一致が発生し、正常に動作しない可能性があります。そのため、導入前に互換性のチェックを行いましょう。

現行システムに対応したデータ抽出やクローリング機能を活用してサイトを構築する企業もあります。新しい社内ポータルサイトが既存システムとシームレスに統合できるかを技術的に確認し、必要に応じてカスタマイズやAPIの利用を検討しましょう。

また、上記観点で適切なアドバイスを提供できるシステム開発企業を選ぶことも重要です。

セキュリティ対策の検討

社内ポータルサイトの運用では、セキュリティ対策が極めて重要です。対策が不十分な場合、従業員が社外で不用意にアクセスし、情報漏洩が発生するリスクがあります。そのため、技術的・運用的にしっかりとしたセキュリティ体制を整える必要があります。

  • アクセス制限の設定:社内ネットワークや指定のIPアドレスからのみアクセス可能にする
  • 利用者の制限:従業員のみに閲覧を限定し、認可されたユーザーだけが利用できる仕組みを構築する
  • 多要素認証の導入:ログイン時にパスワードだけでなく、ワンタイムパスコードなどを要求することで、なりすましリスクを軽減

セキュリティ対策は社内ポータルサイト全体の信頼性を高めるだけでなく、従業員が安心して利用できる環境の構築にも寄与します。これらの取り組みをシステム開発の段階で組み込むことで、情報漏洩リスクを最小限に抑えた運用が可能になります。

デザイン性の高い社内ポータルサイトを作るポイント

社内ポータルサイトは、企業ごとの課題や従業員のニーズに応じて最適化された設計が必要です。使いやすいデザインと効率的な運用が両立することで、従業員の日常業務に自然と溶け込み、毎日使われる価値あるツールへと成長します。

株式会社シフトでは、パッケージCMS「SITEMANAGE(サイトマネージ)」を活用し、デザインの自由度と運用のしやすさを両立した社内ポータルサイトをご提供しています。  

950サイト以上の構築実績をもとに、従業員にとって使いやすく、運用者にも負担をかけない設計を熟知しているのが私たちの強みです。

「ツールの制限で思うようなデザインができない」「従業員に使ってもらえる構成にしたい」などの課題があれば、ぜひご相談ください。  要件の整理から設計・運用まで、貴社に最適な形をご提案いたします。

⇒社内ポータルサイトについて相談する

ご相談をお待ちしております。お気軽にご相談ください。

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